天井仕上げと天井高の関係|空間の縦横比を考える

住まいの内観がどんなイメージになるのか考える時、天井の仕上げについては大きなポイントとなります。
天井には勾配天井とフラット天井があります。

勾配天井とは、屋根の勾配に合わせて斜めにした天井で、平屋の家や2階リビングの家などに多い天井です。
その中でも「構造現し」とは、梁や登り梁などの屋根を支える構造が露わになった状態で仕上げてあることを指します。
そして通常の平らな天井が、フラット天井です。

 

勾配天井、さらに構造を現しにするメリットは「木組みの美しさをいつでも眺められる」ということの他に、
天井裏の空間がそのまま見えているので、開放感があり広々と感じられるという点があります。

この「広々と感じられる」という点について、
「空間は広ければ広いほど良い」という人ももちろんいるとは思いますが、
今回は「空間の美」について考えてみたいと思います。

空間を印象付ける「縦横比」とは

最近の住宅では、2,400mmというのが通常の一般的な天井高とされています。
さらに、広々と見せるために天井高を上げ階高を高くする傾向にあります。

ですが、永本建設の住まいではそれよりも低く設計することがあります。
屋根の軒先から低く設計し天井高も下げ、ディテールの考えられた「落ち着いた空間・美しい外観」をつくるのです。
低く設計しても、勾配天井や構造現しとすることで、実際の高さよりも高く感じることができます。

 

古来からの日本家屋の様式美として「縦横比 1:2」という法則があります。
「縦が1」に対して「横が2」の比率とすることで、日本人が「落ち着く」と感じられる空間になるそうです。
天井高を低めに設定することで、あまり広く居室面積が取れなくても「縦横比の美をデザインできる」というわけです。

また、天井高を低めに設定すると、
「階高を抑えることで建物外周面積が減り、建築コストを抑えられる」
「小さな空間とすることで冷暖房費を抑えられる」
などといった隠れたメリットもあります。

小さくても豊かに暮らせる空間デザイン

日本家屋の様式には、開口の取り方など細部にわたり美しさが満ちています。
天井高・階高を抑えつつ、圧迫感を感じずに広々と感じられる。
そんな「小さくても豊かに暮らすことのできるデザイン」の実例をご紹介します。

 

実例1
2階の天井高を抑え平屋のように見える外観


 

実例2
勾配天井を生かした開放感のある2階リビング

 

実例3
階高を抑えつつ低く感じさせない、構造現しの天井

 

いかがでしょうか?
空間を「ただ広く取れば良い」という考え方から、「必要以上に広げずに、感覚で広く感じる」という考え方にシフトしてみると、住まいという空間には無限の可能性が広がります。

道路から自宅を見つけたとき、「美しい」と思える佇まい。
リビングや居室に入ったとき、「心から落ち着ける」空間。
そんな家づくりを選択肢に入れてみてはいかがでしょう?

 

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